当たらない為替予想

気ままに為替などの予想をするブログ。主に考えをまとめるために書いているだけなのですが、物好きな方は読んでください。

金価格

4年くらい前に、純金積立をしていた時期があった。当時も金融危機の噂があって、金を買うことを勧める投資家が多かった。また、住信SBIネット銀行で月1000円以上純金積立をするとランクが上がってATMの無料使用回数が増えるというメリットがあった。何年か経って、そのルールはいつのまにか、契約があればOKと変わったらしく、それに気づいた時点で毎月の積立はやめて、保持するだけにした。

純金積立というのは、手元に純金が届くわけではなく、金融機関が客から注文を受けた純金をまとめて買って保管しておくというものだ。そういう「買ったことにして保管しといてもらう」という形態の投資を勧めない投資家もいる。本当に買っているのかわからないからだ。その金融機関も、さらに他の金融機関から買ったことにしてそこで保管しといてもらっているだけかもしれない。つまり、現物が取引されてるわけではなく、数字だけが取引されているという意味だ。純金積立は確かペイオフの対象外で、銀行が倒産したら戻ってこない。

そういう理由で、純金ならば現物の取引を勧める投資家もいる。だが、現物取引の手数料はすごく高い。あと、最近はなかなか手に入らないようだ。しかも、それより深刻な問題がある。純金の偽物が出回っているらしいということだ。どれくらい出回っているのかはよくわからない。どこかの国の機関で作られている精巧なものもあるらしく、プロでも見分けられないのだとか。それならば、信用できそうな店でも偽物を掴まされる可能性がある。偽物ならば大損だ。

先日、中国で、担保となっていた、数千億円分の純金が偽物だったという事件があった。ニュースでは銅に金メッキをしたと書いてあるが、銅じゃ比重が全然違うんで、タングステンじゃないだろうか。どっちにしろ比較的わかりやすい偽物だったのだと思う。そういうニュースが出ても金価格は下がらないどころか上がっているというのは何か胡散臭い。

金価格は、実際のマーケットを反映しておらず、一部の人たちが不当に安く抑えている、と言う人たちもいる。それが本当なのかはよくわからないが、僕には反映しているようにも思える。2011年に金価格が最高値を取った後に価格が停滞していた2012~2013年ごろに、テレビに金取引の専門家がちょくちょく出ていた。「今までに発掘された世界中の金を集めても、水泳ブール数個分しかないんです。だから金の価格は安定してるんです。」この論理はおかしいように思える。量が一定なのと価値が一定なのは別じゃないか?価値は、欲しい人がどれだけいるかで決まる。例えば、絵画は一枚しかないが、何かのきっかけで価格が高騰したり暴落したりする。こういう、人を騙すための論理をテレビが言い出したら危険信号だろう。実際、金価格はその後下がった。金取引の専門家たちが高値で売り抜けたいがために、素人に買わせるようにテレビで宣伝したのではないか。似たようなことは、ちょくちょく起こる。昔の日本のバブルの頃も財テクブームと称してテレビが散々煽ったし、仮想通貨のバブルが弾けるときも直前にテレビやネットでCMがたくさん流れた。

今の金価格は最高値に迫っている。この後は2つのパターンがあるのではないか。つまり、最高値を超えられずに(あるいは少しだけ超えて)暴落するか、最高値を超えて急騰してからどこかで暴落するか。後者の可能性の方が高いような気はする。暴落するのは、偽物が出回っているから。ただ、こういう値動きをフォローするのは疲れるので、僕は今日、積み立てた金のほとんどを処分した。元々、持ってる量も少なかったから。